こんにちは。のり(@nori19701128)です。
最近リアルで投資をはじめたばかりの人から相談をうけることが多くなってきました。
その際に感じたことをお話したいと思います。
長期投資をはじめたばかりの人を支えるためには、FPは相談者に寄り添い、アドバイスをすることで不安感を拭いさる「メンター」としての役割がいいのではないかと考えています。
投資をはじめる人がジワリと増加中
私がインデックスファンド投資をはじめた2010年には、個人で投資をしている人は周囲にはまだまだ少なかったのですが、ここにきてジワリと増えてきていることを感じます。
2014年に投資の利益に対して非課税になるNISA、2016年からはジュニアNISA、2018年には積立NISAがスタート。
2017年には同じく運用益が非課税になり拠出金額が所得控除の対象になる個人型確定拠出年金に「iDeCo」の愛称がつけられてグッと身近なイメージになりました。
SBIや楽天などのネット証券では、現金ではなくポイントで投資を始められサービスもはじめられており、官民通じて環境が整えられて一般の人が投資を始めるハードルは低くなってきています。
NISAやiDeCoの口座数も若い人を中心に右肩上がりに上がっているようです。
(「つみたてNISA、口座数、買付額の2ケタ増続く、若年層で伸び-金融庁調査(21年6月末時点)」2021年10月13日モーニングスターHPファンドニュース)
(「若手世代を中心に加入者数が急増中! 「iDeCo」の注目度がアップする理由とは?」2021年2月25日野村證券「エルボルデ」記事)
それは私が暮らしているリアルの世界でも感じます。
友人、会社の同僚、取引先の方々と話すときに、つみたてNISAやiDeCoの投資で資産形成をはじめたという話を聞くことが増えてきました。
ただそれに伴って私が10年以上積立投資をしていると話をすると「私の投資は大丈夫なのか・・・?」と相談をうけることが多くなってきたのです。
数百円の含み損でも大きな不安
相談される内容で一番多いのが
「数か月前から投資をはじめたんだけど、赤字になってしまって・・・」
というもの。
もっとも投資といっても多種多様あるので、どのような投資をしているかを聞いてみると、ほとんどの人がつみたてNISAやidecoで投資信託を買っている、積み立てている方ばかりで、値動きの大きい投資上級者向けの金融商品を買っているわけではありません。
赤字金額を聞いてみても「奥さんに内緒で投資につっこんで数百万円溶かした」というレベルのものでなく、まだ積立投資をはじめたばかりですから、せいぜい数百円程度の赤字。
それでも
「1年前からはじめている兄弟は黒字になっているのに、私は赤字。なにかやりかたを間違っているんだろうか・・・」
という悩みであり、相談です。
当然投資をはじめる時期によって、評価額の値動きは変わってきます。
1年程度の短期の比較であればなおさらで、1年前の2020年10月ころと言えば、コロナショックから世界の株式市場は立ち直り、毎月のように株価が上昇していた時期です。
私の11年間の経験からでもあんなに好調に値上がりをしていた時期は他にありませんでした。
ただその好調さも今年の夏で一服。その後は世界の様々な要因が絡み合い、大きく上がったと思えば、次の週には大きく下がるという値動きの粗い時期に入っています
1年前と現在とでは、はじめる時期の世界環境の違いから、短期的に評価額に差がついてしまうのは致し方ないことでしょう。
それに10年以上投資を続けていると、日によっては数十万円レベルで評価額が上下するので、数百円程度の赤字なんてどうってことないと思えてしまいます。
しかし、投資をはじめたばかりの人の場合、数百円でも自分の資産が赤字になることは、
本当にこれから増えて行くのか?
もっと赤字額が大きくなりはしないか?
と、周囲に相談する相手が誰もいないのであれば、不安が増大していくのは当然と言えるでしょう。
そして最近つみたてNISAやiDeCoで投資をはじめた人は圧倒的にそのような方が多いのだろうと思うのです。
私の経験を交えながら説明する
そのような不安を持つ方は、おこづかい稼ぎで目先の利益がでればいいという人ではなく、将来への備えとして投資をはじめられた人が多いです。
そのような虎の子のお金だからこそ、数百円の赤字でも不安になるのだろうと思われます。
なので私はまず相談者の投資のゴールは数十年後であることを確認して、それを前提にして長期投資をする際の金融資産の値動きについて説明していきます。
昨年と今年では相場の動き方が違うこと。
しかしそれも数十年というスパンで見れば他の年の値動きと相殺されて、一定の狭い幅へ収斂されていくこと。
永遠に下がり続ける相場はあり得ないこと。
むしろ株価が下がった時のほうが、同じ金額でも多くの口数を買うことができるので、いずれ値上がりしたときの儲け幅が大きくなること….
などをお話していきます。
そしてこちらのブログでもたびたび登場する、私が毎月つけている10年以上にわたる我が家の資産額推移のグラフを見せて、短期的には値上がりと値下がりを繰り返しながら、それでもこの10年以上の長期スパンでは右肩上がりに上がってきたことを説明します。
この実績グラフをお見せすると多くの方は納得、安心をしていただけるようです。
さらに人によっては実際に積み立てている商品の中身まで相談が進む場合もあります。先日運用商品を見せてもらった方は、つみたてNISAの中で同じ日経平均株価指数に連動している複数のインデックスファンドを運用されてました。
私がその部分について質問すると「ネットで調べたら『分散したほうがいい』と書いてあったから複数のファンドにわけてみた。」とのこと。
なので私はそこで、同じ日本国内の指数に連動するファンドを複数もつのではなく、先進国や新興国、さらには株式や債券という値動きが違うものに分散することが投資における『分散』であることをお伝え。
さらに同じ指数に連動している複数のファンドから選ぶ場合は販売手数料がかからない信託報酬が安いものを選ぶのがいいとアドバイスしました。
「この信託報酬の数字はそのように見ればいいんですね」
とその方には理解してもらえたようでした。
長期投資の不安に寄り添えることができるFPになりたい
以上のような相談を今年にはいってからも2-3度ほど受けています。
決してレアケースではなく、NISA口座、iDeCo口座の開設数の増え方を見れば、むしろ同じ所で悩んでいる人は多くなっているのではないかと推測します。
自分の資産をリスクにさらすわけですから、投資をはじめるならガイドとなる本を1冊でも読んで基本知識を学んでからはじめたほうがいいと思います。
しかしながら投資をする環境が整いハードルが下がっていると同時に、特段投資に対する基本知識を学ばなくても、口座の開き方から商品の買い方までネットで簡単に得ることができるようになってきてしまっており、実際今積立投資をはじめる人にはそのような人が多そうです。
せっかく「投資をする」というアクションまでたどり着いたのに、その後知識不足のため、または経験が足りないために、投資を止めてしまう人が増えるのではあまりにもったいないと考えます。
長期投資をはじめた人が不安になった時、自信を失った時に頼れる存在、相談できる存在「メンター」が必要なのではないでしょうか。
そういう人が身近にいれば、投資の始めた当初の粗く動く資産額の変動の際にも、数年に一度はやってくる株価の下落相場の際にも、慌てることなく乗り越えていけるように思えます。
私自身まだ考えがまとまっているわけではないのですが、将来FPとして活動する際に、こと「投資」という分野については、テクニカルなことを教えるでもなく、「今よりももっといい商品がありますよ。」という乗り換えの提案をするのでもなく、相談者に精神的に寄り添って、最初に設定した長期投資のレールから踏みはずさないように、安心感を持って投資を継続してもらう、そのような存在になるべきではないかと、今思っています。
積立投資をはじめようと考えている人、はじめたばかりで不安な人には水瀬ケンイチさんの著作を読むことをおススメしています。
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ラジオもやっています。よかったら聞いてください。
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